ビジネスパーソンのための『鬼滅の刃』講座 -目的・目標の4観点編 弐ノ型

皆さま、日々ワクワクして過ごしていますか?

ワクワク目標達成研究室の森です。

「ビジネスパーソンのための『鬼滅の刃』講座」

前回に引き続き、

『鬼滅の刃』をダシに、

原田メソッドの「目的・目標の4観点」について、
ふれていきます。

「目的・目標の4観点」については、
過去にとりあげた記事もあわせてごらんください。

“ドリームマップと目的・目標の四観点”

“目的・目標の四観点のメリット1”

“目的・目標の四観点のメリット2”

意外と普通の人たちと変わりない鬼たちの行動原理

前回は、鬼と対峙する人間側が、
「目的・目標の4観点」に沿っていたことを説明しました。

では、鬼側はどうなのか?

人喰い鬼というと、いわゆるゾンビみたいに、
ただ生存本能のみで動いているイメージがありますが、

『鬼滅の刃』で出てくる鬼たちは、
人喰いに罪悪感がないことを除けば、
感情面では人間とあんまり変わりません。

特徴的なのは、鬼たちの行動原理として、

「自分・有形、無形」はあっても、
「社会他者・有形、無形」が希薄であること。

自分・有形としては、

  • 好みの人間を食べたい

 出世とかより趣味を重視するタイプですね。

  • 上の役職に就きたい

 社長(Kさん)からの要請があるという面もありますが、
 鬼にはこのタイプが多いです。

  • 太陽を克服したい
    Kさんの悲願がこれですね。
    まぁ、苦手を克服したい、という目標は多いですね。

自分・無形としては、

  • (人を喰って)満足感を得る
  • (ライバルを超えて)優越感に浸る
  • (生きることで)安心する

といったところでしょうか。

…こうしてみると、鬼たちの行動原理は、
意外と普通の人たちと変わりないことがわかります。

では、なぜ鬼たちは、
「社会他者・有形、無形」を意識することができないのか?

鬼たちの「社会他者・有形、無形」への反発は現代でもあまり違和感がない!?

真っ先に考えられるのは「未学習」

「目的・目標の4観点」を明確に描くメリットを
そもそも知らない、理解していないケースが考えられます。

単に「未学習」であれば、

「目的・目標の4観点」を明確に描くメリットを学習し、
何度か練習をすればよいという話になります。

ただ、鬼たちが
「社会他者・有形、無形」を意識することができないのは、

単なる「未学習」というだけではなく、
どうも心理的に「反発、反抗」があるようです。

鬼たちの「社会他者・有形、無形」への
「反発、反抗」を分析すると、
どうも以下の2つになるようです。

  1. 「社会他者・有形、無形」を前面に出すのは弱者
  2. 「社会他者・有形、無形」に引っかかるのは弱者

鬼組織のリーダー・Kさんにしてみれば、

「他者や社会のために」なんてのは、
弱い人間の感情であり、鬼にはそんなのはいらない。

そんな「人間らしい部分を残した鬼」から、
現にやられているじゃないか、というわけです。

「他者や社会のために」なんて余計なことを考えずに、
とにかく自分を高めるべき。

一昔前のビジネスパーソンにとっては、
常識的な考え方といえますね。

また、Kさんにしてみれば、

ひとは「日銭を稼いで静かに暮らせばいい」。

やれ親の仇だ、人の幸せのために生きるとのたまい、、
社会他者・無形を行動原理の根幹に置き、
はた目から見てもオーバーワークにもほどがある。

そんな鬼殺隊メンバーのことを、
Kさんは「異常者の集まり」とまで言い切っています。

「異常者の集まり」とはずいぶんと苛烈な表現ですが、
現代風に言えば「意識高い系」とでも表現すると、
Kさんの言いたいことに近いかもしれませんね。

Kさん的な感覚でいえば、
鬼殺隊のリーダー・Uさん一族は、
夢をエサにメンバーをこき使う、
ブラック企業の社長みたいなもんでしょう。

…このように書くと、

鬼たちの「社会他者・有形、無形」への反発は
現代でもあまり違和感がない、のかもしれません……

皆さまは、いかがでしょうか?

利己的な社内文化だと「社会他者・有形、無形」は描けない

そうした、鬼たちの「社会他者・有形、無形」への反発は、
どこからくるのか?

もちろん、Kさんが自分に反抗さないように、
各自が分断しやすいような、利己的な社内文化をつくっているから、
という側面は大きい。

とにかく、極力鬼同士を団結させないようにし、
鬼が集まれば共食いするようにしている。

個人の営業実績のみを重視する企業みたいなものですね。
他の社員はみなライバルというか敵。

顧客もぶっちゃけ「お客様」というよりエサみたいなもの。
お客様の幸せは二の次。
いかに利益を吸い上げるかが大切。

こうした社内文化がベースになっていれば、
「社会他者・有形、無形」なんてあほらしいですよね。

実際のところ、こうした社会文化を持つ企業は、
少なくないのでは?

もちろん、多くの会社では、
立派なミッションを掲げています。

ただ、それが単なるタテマエになっていて、
実際のところは、鬼組織ばりに利己的な社内文化になっているパターンが、
多いのではないでしょうか?

よりどころになる「社会・他者」がないケーススタディ

加えて、鬼たちのほとんどは、
よりどころになる「社会・他者」、
とりわけ他者がいない。

なぜ、鬼たちには
よりどころになる「社会・他者」がないのか?

『鬼滅の刃』で出てくる鬼たちの事例を見ながら、
この点を掘り下げてみたいと思います。

①他者に共感できない(本当の意味で他者の気持ちが分からない)

ぶっちゃけ、人間だったときからサイコパスだったパターン。

サイコパスは、一般的に相手の心理を読むことと、
自分の心理を見せないことにたけていますが、
目の前の相手に心から共感することはできない。

サイコパスにとっては、
自分にとってよりどころになる「社会・他者」を描くのは、
極めて難しいかもしれません。

(人に見せるという意味では、
 ものすごく感動する「目的・目標の4観点」を
 サイコパスは描けるはずですが…)

まぁ、あなたがサイコパスでないなら、
ここから学べる教訓はあまりないでしょう。

②鬼になった後で、よりどころになる他者を殺した

人間だった時に病弱だったりした人が、
家族のために鬼になって、当初の目的を見失って、
結局家族を喰ってしまうパターン。
あるあるですよね。

一見ビジネスパーソンには
一ミリも関係ないように思われますが、

日々の忙しさに心をなくしてしまい、
いつの間にか、「今の仕事に就いた理由」とか
「家族への感謝」とか、

自分にとってよりどころになる「社会・他者」が
忘却されてしまう。

で、死ぬ前とか後になって初めて思い出す。
なんてことは、決して珍しくはないですよね。

失って初めてわかる「あたりまえの大切さ」。
「社会・他者」もそうですが、
自分の健康もそうですよね。

ビジネスパーソンとして、人間として、
「あたりまえの大切さ」を忘れずに生活したいものです。

③鬼になる前に、よりどころになる他者がいなくなった

親や家族や恋人を、
鬼になる前の時点で失ってしまい、

自暴自棄になっているところを、
素質をスカウトされて鬼になる。

心理学的に、自分の所属する内集団を
「失った」状態ですね。

この状態はものすごくきついことは、
想像に難くないですね。

この場合、自暴自棄になって、
鬼になるといった破滅的な行動をとらないように、
注意する必要があります。

  • まずは時間をおき、気持ちを整理する
  • 可能な限り、他の信頼できる人に相談する

ことが大切ですね。
こうした状態で、重要な決断をするのは避けるべきです。

④社会・他者への被害者意識

「俺を認めない奴が悪い」
「私は悪くない」

『鬼滅の刃』では、

社会・他者への被害者意識をこじらせて、
周囲から孤立したあげく、
最終的に鬼になってしまうケースが散見されます。

心理学的に、内集団からの「疎外感」で
さいなまれている状態ですね。

原田メソッドでは、この状態は、

「心のコップが下を向いている」最たる状態だとし、
これだとパフォーマンスが低下する一方だとしています。

この状態だと、社会・他者のために、という
「目的・目標の4観点」の正しいパターンを描くことは難しい。

まずは、人のせいにしない。

その後で、自分の心のあり方をみつめ、
心のコップを上に向けるようにする。
(『鬼滅の刃』的な表現をすれば、心の箱の底に空いた穴を埋める)

まとめ

目的・目標の4観点が描けない理由として、
鬼たちのケーススタディから、

「未学習(やったことがない)」
「反発(周囲の文化、よりどころになる社会・他者がない)」

という点をふれました。

加えて、

「そもそも、達成するのに社会・他者を必要とする、
 自分の限界を超えないといけない目標を立てていない」

という点が大きいです。

「全て自分の力だけで成し遂げてきた」という人は、

本来は社会・他者の力がないとできなかったことに対して、
健忘症にかかっているか、

その程度の目標でしかなかったかの、
どちらかなのかもしれません。

実際は、前者の健忘症パターンが
圧倒的に多いのですが。

ほとんどの場合、
自分の限界を超えないといけない目標は、

  • 社会・他者-無形への想いがスイッチとなって、
  • 後から振り返ると、通常の自分とは思えないようなモードに入り、
  • 多くの社会・他者のサポートのもとで、

成し遂げるケースが多いように思えます。

『鬼滅の刃』でも、
Kさんはそのことを身をもって思い知らされて、
滅ぼされていきました。

目的・目標の4観点を描きつつ、
自分の限界を超えないといけない目標に出会う、
あるいは乗りこえるためにはどうしたらよいか?

そのためのヒントを、
ぜひ原田先生の本から探してみてください。

次回予告

次回は、

「ビジネスパーソンのための『鬼滅の刃』講座」最終回!

最終回のテーマは「ブリッジング」です!

今回のまとめ

■目的・目標の4観点が描けない理由

1.未学習(やったことがない)
2.「社会・他者のために」を前面に押し出すことへの反発

 2-1.周囲の文化に引きずられてしまう
 2-2.よりどころになる「社会・他者」がない

3.そもそも、達成するのに社会・他者を必要とする、
 自分の限界を超えないといけない目標を立てていない

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