皆さま、日々ワクワクして過ごしていますか?
ワクワク目標達成研究室の森です。
「ビジネスパーソンのための『鬼滅の刃』講座」
今回からしばらくは、
『鬼滅の刃』をダシに考える組織論、リーダーシップ論です。
鬼組織のリストラは容赦ない

前回、『鬼滅の刃』の鬼組織について触れた中で、
- 営業マンは営業成績トップ12名を目指している
- 営業成績トップ12名は別格扱い(とりわけトップ6はさらに別格)
と書きましたが、
実は、話の途中で営業成績トップ12名のうち、
下位6名グループが一気にリストラされます。
理由は、下位グループのうち1名が人間側に倒され、
かつそうした事態が何度もあったため。
実績不振を理由にプロジェクトチームや
一つの部門が解体されるようなものです。
ボトムアップ型になりやすい日本型組織では、
そうした事態が起こりそうになると、労働組合などが反対して、
なかなかその手の改革は進まないものですが、
鬼組織には当然労働組合なんてありません。
社長の鶴の一声、もとい鬼の一声ですべてが決まる、
超トップダウン組織。
「山田さん(仮)」みたいなビジネス書でよくある書き方にならい、
鬼組織の社長を、以下「Kさん(仮)」とします。
そんなKさんによる、下位グループ解体事件からは、
組織人にとって悩みの種となる「上司と部下」について、
いろいろと考えさせられる教訓があります。







鬼組織のグループ解体事件の顛末

Kさんによる、下位グループ解体事件は、
以下の顛末で事が進んでいきます。
- 下位グループ全員が、唐突かつ強制的に密閉空間に集められる
逃げ場のない密閉空間で圧迫や尋問まがいなことをするのは、
リストラや責任追及などでありがちです。
明らかにコンプライアンス違反ですので、
やってはいけないのですが……
- Kさん、全員に土下座強要し、いきなり説教開始
パワハラにもほどがありますよね。
- 説教に対し「そんなこと言われても」と思ったメンバーを処罰
「お前、そんなこと言われてもと思っただろう」と
一方的に決めつけて説教&処罰。
言いがかり&パワハラにもほどがありますね。
※Kさんは実際に、近くにいる鬼の思考が読めるらしいですが、
だからといって、思っただけで処罰してはいけませんよね。
- Kさんの指摘に「そんなことはないです」と言ったメンバーを、意見を否定したかどで処罰
「お前、やる気ないだろ?」的な圧迫質問に対して、
(それだけでもコンプライアンス的に問題ですが)
「そんなことないです! 頑張ります!」と回答を求めるのは、
まぁ、わりとあります(それもどうかと思いますが)。
しかし、そこで「俺の意見を否定するのか?」とかいって、
さらに説教&処罰するとなっては、
もう重度のパワハラ案件です。
- やってられるか、と逃げ出したメンバーはクビ
そりゃ逃げますよね。
- 「予算と人員を追加アサインしてもらえれば挽回できます」的なことを言ったメンバー処罰
鬼組織なので、ここでの処罰は「喰い殺される」
クビは、文字通り「首だけになる」という意味です。
……まさに超ブラック企業ですよね。
「不老不死になれる」「超常の力を得られる」
そんなインセンティブが得られるとはいえ、
個人的には、こんなブラック企業はかなり嫌ですが、
皆さまは、いかがでしょうか?




組織論、上から見るか、下から見るか?

しかしここで、
「いや~、Kさん鬼畜やね~(実際鬼ですが)」
で終わってしまっては、何も学びが得られません。
先ほどまでの見方は、
部下の視点を中心にみていったわけですが、
上司の視点で見てみると、また違ったものが見えてくるのではないでしょうか。
皆さまの中にも、上司の立場でメンバーに接している人は、
また違った感想を持つのでは、と思います。
・Kさん、全員に土下座強要し、いきなり説教開始
⇒上司なのだから、権威を示す必要がある
穏やかに話をしても、奴らは話を聞かない
議題はプロジェクト解散、そんな話はしたくない。
どうせ何を言っても反発されるなら、一方的に話そう。
・説教に対し「そんなこと言われても」と思ったメンバーを処罰
⇒態度がなってない。態度を見てれば、だいたい何を考えてるかわかる
どうせ、あいつはこんなことを考えているだろう
・Kさんの指摘に「そんなことはないです」と言ったメンバーを、意見を否定したかどで処罰
⇒普段からの言動から考えれば、何を言っても信用できない
・やってられるか、と逃げ出したメンバーはクビ
⇒この程度で逃げるとは、だから今どきの若い者は
組織の問題行動については、
上司の立場で見るか、部下の立場で見るかによって、
見方が大幅に変わってきます。




自分事としてあらゆる物事を見つめる訓練を

もちろん、だからといってKさんの行動が
「しょうがないよね」で済まされるわけでは断じてありません。
ここで学びを深めるために考えていただきたいのは、
「今のあなたの立場で、あなたならどうする?」
自分事としてあらゆる物事を見つめる訓練を普段からしておくと、
様々な事象から得られる学びが大きくなります。
次回は、『鬼滅の刃』の鬼組織について、もう少し触れながら、
上司と部下について、考えてみたいと思います。


・組織論は、上から見るか、下から見るかで
見える景色が全然違うものになりやすい
・当事者にならないと分からないことは多数あるが、
日頃から当事者意識をもってあらゆる物事を見つめる訓練を
・自分事としてあらゆる物事を見つめる訓練を普段からしておくと、
様々な事象から得られる学びが大きくなる。