『上級国民/下級国民』とマインドセット -2- ~全般的に幸福度の分断は「大卒/非大卒」~

皆さま、日々ワクワクして、
過ごしていますか?

ワクワク目標達成研究室の森です。

今回は、2019年8月1日に発売された『上級国民/下級国民』から、「上級国民/下級国民の幸福度調査の観点から考えてみたいと思います。

 硬直型マインドセット/しなやかマインドセットの考え方をベースにしつつ、今後の社会の中で、私たちのあり方などを考えていきます。

全般的に幸福度の分断は「大卒/非大卒」

 『上級国民/下級国民』で面白いのは、吉川徹『日本の分断 切り離される非大卒若者(レックス)たち(以下、日本の分断)』を引用しながら、「大卒/非大卒」「若年/壮年」「男性/女性」というカテゴリーでの「ポジティブ感情」をとりあげている点。

以下の議論のベースは、社会調査の結果をまとめた『日本の分断』がベースになっています。

 ここでの「ポジティブ感情(幸福度)」は、以下の4つの指標で構成されています。

幸福度の4つの指標
・階層帰属意識:自分が「上層階層」に属していると思うか
・生活満足度:生活全般に満足しているか
・幸福感:現在どの程度幸せか
・主観的自由:「私の生き方は、おもに自分の考えで自由に決められる」と思うか

つまり……

ポジティブ感情(幸福度)が高い人
・自分が「上層階層」に属していると思う
・生活に満足している
・自分が幸せだと感じている
・「自分の人生は自分で決めている」と感じている
ポジティブ感情(幸福度)が低い人
・自分が「下層階層」に属していると思う
・生活に不満
・自分が不幸だと感じている
・「人生は自分で決められない」と感じている

 さて、「大卒/非大卒」「若年/壮年」「男性/女性」というカテゴリーでポジティブ感情はどう変化するか?

 第一のポイントは…

・非大卒より大卒の方がポジティブ感情が高い(例外なし)

『上級国民/下級国民』より引用

 いわゆる「学歴」ではなく、「大卒か非大卒か」というカテゴリーで、幸福度が統計的にも有意に上下するのだそうです。
 つまり、幸福度という観点でいえば、日本の分断は、「大卒か非大卒か」が決め手になる、といえます。
 これは日本に限った話でもなく、グローバルに見てもそうだ、というのが橘氏の見立てです。

いわゆる「学歴」とは違うわけだね。
そうみたいですね。もっとも、出身大学別での調査がなされているかどうか、寡聞にして知らないです。おそらく、出身大学別でまた幸福度が変わってくるのでしょうけど。
橘氏の本を見る限りでは、ここでの「非大卒」は、経済的な要因で勉強したくてもできなかった、というより、小学校、中学校時点で勉強や学校についていけずドロップアウトした人たち、ということだといえる。
そんな子供たちの親も、育児放棄していた親もいるのでしょうが、大半は「勉強しろ」とは言っていたことが『上級国民/下級国民』では書かれています。難しいところですね。。

大卒男性(正社員)は上層帰属意識が高い。女性は大卒/非大卒にかかわらず生活満足度、幸福度が男性より高い

 では、大卒カテゴリーの中で、「若年/壮年」「男性/女性」によって、どう幸福度が左右するか?

 『上級国民/下級国民』より引用

・女性は男性と比較して「生活満足度」「幸福感」が高い

 ちなみに、この点は非大卒カテゴリーでも変わりません。
 理由は次回ふれます。

・壮年になると「上層帰属意識」が高い(特に男性に顕著)

 特に男性の場合、このカテゴリーに属している人はほぼ「正社員」なので、さもありなん、ですね。

なんか、直接的には「上級国民/下級国民」って、帰属意識で決まってる感があるな。
そうですね。個人的な感覚としては、女性は男性よりも「上級国民/下級国民」とか気にしていない人の割合が多そうですよね。

壮年非大卒男性はポジティブ感情の要素が全て低い

ちなみに、非大卒カテゴリーになると…

『上級国民/下級国民』より

・若年非大卒男性は主観的自由だけが高い
・壮年非大卒男性はポジティブ感情の要素が全て低い

 もちろん、個別にみればポジティブ感情が高い壮年非大卒男性もいるわけですが、社会調査をベースにした、統計データによる結果からは、このような分析がなされる、というわけです。

 …とりわけ壮年非大卒男性の幸福度を高めるには、どういうアプローチが可能なのか? いろいろと考えさせられます。

 余談ですが、原田メソッドは、4つのポジティブ感情のうち、どの感情を高められるかといえば、「主観的自由」を高めるのに寄与できるのではないかと考えます。
 目標達成を通して、「自分の人生を自分で決めている」と感じていける可能性が高まりますし、そのことでマインドセットもしなやかになりやすい。
 マインドセットがしなやかになれば、生活満足度、幸福感も向上し、階層帰属意識の重要度も下がるのではないかと思うのです。

確かに、4つのポジティブ感情のうち、どこからアプローチしたらいいかといえば、「主観的自由」だと思う。そこをとっかかりにして、マインドセットをしなやかにするのが、個人レベルでは良いのではないか。
マザーテレサみたいな人が目の前に現れて、いろいろと肯定してくれたら幸福感は上がるでしょうが、それはかなりあてにできない。政府の政策云々で、生活満足度も変化するかもしれませんが、それをあてにしていたら、政府に依存して、文句だけいう人になってしまう。それはそれで、いっそうみじめになってしまうのでよくないですね。
男は結局サル山のサルだから、階層帰属意識がどうしてもネックになってくるな。
その点についても、次回ふれます。

次回予告

次回は、なぜ女性は男性と比較して「生活満足度」「幸福感」が高いか。
逆に、なぜ男性は「生活満足度」「幸福感」が統計的に低くなりがちなのか。

 「モテ/非モテ」という、上級国民と下級国民をわけるとされる第2の要素から、この点について考えてみたいと思います。

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