ビジネスパーソンのための『鬼滅の刃』講座 -シェアドリーダーシップ編

皆さま、日々ワクワクして過ごしていますか?

ワクワク目標達成研究室の森です。

「ビジネスパーソンのための『鬼滅の刃』講座」

『鬼滅の刃』をダシに考える、
組織論、リーダーシップ論の最終回。

  • そもそも、どんな場面でも有効なリーダーシップなんてない
  • 各人がリーダーとなる「シェアドリーダーシップ」

上記の点について、ふれていきます。

リーダーシップ・3つの誤解

これまで数回にわたって、

Kさんのような、ごり押しの権威主義的リーダーシップや
Uさんのようなサーバントリーダーシップについてみていきました。

この手のリーダーシップ教材から、
多くの人は以下の3つの感想を抱きがちです。

①どうやったら、KさんやUさんのようなリーダーになれるだろう?
②自分はKさんやUさんのようにはなれない
③自分は平社員で部下もいないし、関係ない

ただ、これら3つの感想は、いずれも、
リーダーシップに関する誤解がもとになっています。

まず感想1について。
これが、なぜ「誤解」なのか?

それは、「時と場合によって効果的なリーダーシップは異なる」から。

まぁ、Kさんは確かにある種優秀なリーダーかもしれない。
組織立ち上げ時の混沌とした状況では、
ごり押しでいったほうがいいのかもしれない。

ただ、普通に考えれば、
Kさんのようなリーダーが一定規模の企業にいたら、
ただの歩くコンプライアンス違反ですよね。

会っていきなり土下座要求とか、半沢直樹でもやらない。

一方で、部下がみんな自己中な組織、
あるいは実績主義がすべての企業文化な組織だと、
Uさんのようなサーバントリーダーで
最初からやっていけるかといえば、かなり厳しいでしょう。

続いて感想2について。

結局、その人の性格や能力で、
各人が発揮しやすいリーダーシップは異なりますよね。

一番やりやすいのは、
自分の性格や能力のあったリーダーシップを
発揮するのがいいに決まってます。

最後に感想3について。

これが「誤解」だというのは、
一般的にはピンときにくいかもしれません。

ただ、リーダーシップを、
「組織の目的や成果のために他のメンバーに与える影響力」と考えると、
リーダーシップはポジションに依存しないことになります。

この点は、『鬼滅の刃』を例に考えると、
わかりやすくなります。

主人公の少年は、全然リーダーポジションじゃないし、
部下もいませんが(妹はいるけれど)、

どう見ても、リーダーシップを発揮して
周囲を引っ張っていますよね。

これらの3つの誤解をこえて、
「あなただけのリーダーシップ」を培うための土台になるのが、

これからみていく「シェアドリーダーシップ」になります。

また、部下の発達度に応じてリーダーの行動を変えていくのがよい、というリーダーシップ理論に「SL理論」があります。
『鬼滅の刃』でも、映画版でSLが出ているな。
それは蒸気機関車ですよね。そっちのSLじゃないです。「Situational Leadership」の略です。

「あなたにとってのリーダーシップ持論」を構築し、磨き上げる

「あなただけのリーダーシップ」を培う、ということは、
言い方を変えれば、

「あなたにとってのリーダーシップ持論」を構築し、磨き上げる

ということもできます。
持論を信念といいかえても、問題ありません。

あなたが、

「リーダーは、メンバーに寄り添って支えていくものだ」
と思っていれば、それは「あなたにとってのリーダーシップ持論」です。

また、

「リーダーは、明確なビジョンを掲げ、メンバーを駆り立てるものだ」

とあなたが考えれていれば、それもまた、
「あなたにとってのリーダーシップ持論」です。

「あなたにとってのリーダーシップ持論」は、
様々な場面に遭遇することで、
また、明確に言葉にすることで、磨き上げられていきます。

今まで会社で培ってきたリーダーシップ持論は、
家庭やNPOなどの場面で、そのまま通用することはまずない。

しかし、そうした様々な場面にて、
共通して発揮できる持論が磨き上げられていきます。

また、言葉にして明確化し、反復することで、
リーダーシップ持論は心の中で強化されていきます

もちろん、「あなたにとってのリーダーシップ持論」は、あなたの性格や能力が土台になります。
加えて、どんなメンバーがいるか、どんな組織文化なのかが、リーダーシップ持論を大きく左右する。
リーダー経験がない人でも、共感できる、かつ自分に合ったリーダーの在り方から、「あなたにとってのリーダーシップ持論」を磨くことができます。

『鬼滅の刃』に学ぶシェアドリーダーシップ

各人の「あなたにとってのリーダーシップ持論」を、
組織の全員が最大限に生かし、

目的、成果の達成のために、各自が互いに影響力を発揮し合うのが、
シェアドリーダーシップだといえます。

『シェアド・リーダーシップ』では、

シェアドリーダーシップの特徴は
以下の3つだとしています。

①全員によるリーダーシップ
②全員によるフォロワーシップ
③流動的なリーダーとフォロワー

この3つの特徴を考えるうえで格好の事例となるのが、

『鬼滅の刃』原作中盤の、

「離れた二体の鬼の首を同時に斬らないと倒せない」

という難ミッションに取り組む際の、
各人の姿勢だといえます。

このミッションに遭遇したのは、
公式的なリーダー1人と主人公とその妹含むメンバー4人。

メンバーは、リーダーの命令に従って動いたのではなく、
各人がそれぞれリーダーシップをとって必死に動きました。
ていうか、そうでもないと倒せないほど強敵だったといえますが。

その点では、「全員によるリーダーシップ」が
発揮されたといえますが、

一方で、誰かがリーダーシップを発揮したときは、
他のメンバーがそれを積極的に支えて
戦っていたのも印象的でした。

普段は臆病を地で行くメンバーが、

突然「必ずしも同時に首を斬らなくてもいい」と
適切なリーダーシップを発揮し、

それに対して、普段は猪突猛進ばっかり叫んで
人の話を聞かないメンバーも、
それを支えて行動する。

『シェアド・リーダーシップ』では、
リーダーを支える理想的なフォロワーシップは、
独立的かつ積極的な「模範型フォロワーシップ」だとしています。

その点で、「全員によるフォロワーシップ」を発揮して、
難ミッションに臨んでいたといえます。

また、公式的なリーダーを主人公が支えることもあれば、
逆に主人公をリーダーが支えることもあり、

「流動的なリーダーとフォロワー」として、
臨機応変に対応していました。

応用版が、『鬼滅の刃』原作終盤での鬼殺隊とKさんとの死闘といえるだろう。
そうですね。人間側全員がシェアドリーダーシップで行動していましたね。しまいには、裏方がKさんと戦っていましたね。
企業でいえば、経理や総務が営業の前線に立つような感じだったな。
そうですね。

シェアドリーダーシップが有効な状況・そうでない状況

では、シェアドリーダーシップが有効な局面はどんな状況か?
シェアドリーダーシップが有効ではない状況とは?

『シェアド・リーダーシップ』では、

シェアドリーダーシップが有効な状況は、
以下の4つだとしています。

①職場を取り巻く環境(技術環境、競合環境など)があいまい
②職場の成果として創造性が求められる度合い
③職場の対応として素早さが求められる度合い
④職場のメンバーの専門性の高さ

先ほどの「離れた二体の鬼の首を同時に斬らないと倒せない」ミッションや、
終盤の「鬼殺隊とKさんとの死闘」は、
まさに4つの状況すべてを満たしていたといえるでしょう。

逆に、

  • 各人がやることがガチガチに決まっていて、
  • 創造性なんかより言われたことを順守することが大切で、
  • 多少不完全でも素早く、ではなく、時間をかけても失敗しないことが大切で、
  • 各人の専門性が低い(言われたことしかできない)のであれば、

シェアドリーダーシップはそんなに有効ではない。

ただ、現状では、環境があいまいで、創造性や素早さや
各人の専門性が求められることが多いので、
その点シェアドリーダーシップの有効性が高まっているといえます。

ただ、一方で、「やるべきことをガチガチに順守」「失敗しないが第一」な組織文化である業種、あるいは企業は多いよな。そうした環境ではシェアドリーダーシップは厳しいかもしれない。
人材の多様性や失敗の許容度が低い組織文化の場合、シェアドリーダーシップを機能させる前に、そうした組織文化の改善が先なのでしょうね。

次回予告

次回からは、原田メソッドの中から、

「目的・目標の4観点」を取り上げ、

「目的・目標の4観点」を中心に、
人の強さと鬼の弱さについて、考えていきたいと思います。

今回のまとめ

・リーダーシップは、
「組織の目的や成果のために他のメンバーに与える影響力」
 その点で、リーダーというポジションに依存しない

・「あなたにとってのリーダーシップ持論」を構築し、磨き上げる

・各人の「あなたにとってのリーダーシップ持論」を、
 組織の全員が最大限に生かし、

 目的、成果の達成のために、
 各自が互いに影響力を発揮し合うのが、
 シェアドリーダーシップ

<シェアドリーダーシップの特徴>

①全員によるリーダーシップ
②全員によるフォロワーシップ
③流動的なリーダーとフォロワー

<シェアドリーダーシップが有効な状況>

①職場を取り巻く環境(技術環境、競合環境など)があいまい
②職場の成果として創造性が求められる度合い
③職場の対応として素早さが求められる度合い
④職場のメンバーの専門性の高さ

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