皆さま、日々ワクワクして過ごしていますか?
ワクワク目標達成研究室の森です。
「ビジネスパーソンのための『鬼滅の刃』講座」
これまでに続き、
『鬼滅の刃』をダシに考える組織論、リーダーシップ論です。
今回は、鬼に対する人間側の組織から、
組織論についてふれてみたいとおもいます。
不老不死で、身体損傷は瞬時に修復する鬼たち。
そんな化け物たちと戦うのは、
訓練しているとはいえ、しょせん生身の人間。
そんな人間たちの最大の武器は、社会性。
アリも1匹は弱くても、
集団になると恐るべき力を発揮します。
「鬼殺隊」と呼ばれる対鬼組織のありかたからも、
いろいろと得られる学びがあります。
非営利組織としての「鬼殺隊」

『鬼滅の刃』では、
「鬼」の存在は社会に明確に周知されていないためか、
「鬼殺隊」は政府非公認組織です。
別に鬼殺しがビジネスになるわけでもないので、
「鬼殺隊」は当然非営利組織となります。
そうなると、当然、一つの疑問が出てきます。
では、「鬼殺隊」はどうやって維持されているのか?
一般的に、NPO法人等の非営利組織では、
収入源は以下の通り。
- 会費
- 寄付金
- 助成金
- 補助金
- 収益活動や事業収入
- 融資による借入金
一般的なヒーロー戦隊モノなどでは、
この手の問題がうやむやにされがちですが、
『鬼滅の刃』では、
「鬼から命を助けられた人々による、
組織支援ネットワーク」
があるのだと説明されています。
このネットワークからの、会費や寄付金が、
非営利組織「鬼殺隊」の
重要な収入源なのだろうと推察されます。
しかし、一般の非営利組織でも、
会員維持や寄付金集めで苦労していて、
長期間続けられる組織は少ないです。
そんな中、非営利組織「鬼殺隊」は、
なんと1000年(!)近く続いているのだから、
これはすごいことです。
おそらく、支援ネットワークに入ることで、
優先的に鬼から守ってもらえるという面も
あるのだろうと思います。
ネットワーク会員は、
指定のマークを玄関に書いているみたいですが、
鬼殺隊スタッフへの目印という以上に、
「警察官立寄所」ステッカー的な効果もあるのでしょう。
加えて、これはあくまで妄想ですが、
定期的に感謝状や会報を、ネットワーク会員に送っていたり、
そんな涙ぐましい努力が陰で行われているのではないかと。
「〇〇さまのおかげで、
今月は鬼を10体退治することができました」
みたいな感じで。
「寄付から次の寄付までの間に、7回お礼を言うと良い」
NPO法人向けのお話では、よく言われることですが、
非営利組織「鬼殺隊」でも、
実は、そうした努力が陰で行われているのではないでしょうか。




現在にも通用する(?)「鬼殺隊」の人材育成と危機管理システム

組織としての「鬼殺隊」の特色としては、
「人材育成と危機管理に力を入れている」
という面があげられます。
まぁ、化け物と戦う以上、
戦死者続々なわけで、
どうしても軍隊というか、特殊部隊に近い組織に
ならざるをえません。
人材育成面での鬼殺隊の特色は以下の通り。
- 全国各地に基礎訓練担当者がいる
軍隊でも、特殊部隊に入るためには、
各地の軍隊で基礎訓練を受ける必要がある場合がほとんどです。
鬼退治で即戦力! な人材は少ないので、
基礎訓練は必須ですね。
企業でいえば、
新入社員研修に相当力を入れている企業。
というイメージが近いでしょうか。
あるいは、長期間インターンを行っている企業と
いるのかもしれません。
なお、現場から人事部へ
人材に対して教育不足クレームが出るのはよくある話で、
『鬼滅の刃』でも、現場から
人材の質低下クレームであがっていました。
- 最終試験がOJT
鬼殺隊では、第一線で活躍する営業パーソン(?)として認められるために、
最終試験として、OJTが必須になっています。
要は、鬼がいる環境で生き残れ、ってやつです。
軍隊でも、特殊部隊の選抜試験は
OJTばりに過酷なものがほとんど。
企業でいえば、新入社員研修とOJTを
効果的に連携させているイメージでしょうか。
危機管理面での鬼殺隊の特色は以下の通り。
- リーダー含め重要箇所の場所は徹底的に秘匿されている
軍隊の場合、司令部や兵站部隊が
厳重に守られているイメージですね。
企業でいえば、セキュリティ対策を重視している企業ですね。
ITでいえば、プロキシサーバーやVPNのイメージが近いかもしれません。
- BCP(事業継続計画)およびDR(ディザスタリカバリ)体制を整えている
もちろん、『鬼滅の刃』での災害とは、鬼の襲撃です。
鬼の襲撃その他災害により、重要拠点が壊滅的な被害を被っても、
あらかじめ、通常は空の予備拠点が複数設けられており、
そこに移動することで、早期に通常業務を行うことが可能となっています。
東日本大震災やCOVID-19後、とりわけBCPおよびDR体制の構築は
注目が高まっています。
日常的に危機と隣り合わせという現実があったとはいえ、
数百年前からこうしたBCP、およびDR体制を整えている鬼殺隊のあり方は、
現在の私たちにとっても、考えさせられるものがありますね。




次回予告
次回は、そんな鬼殺隊を率いるリーダーの
リーダーシップがテーマです。
鬼殺隊って、ほとんど特殊部隊みたいなものなので、
軍隊的なリーダーシップ、
つまり権威主義的なリーダーシップで率いられていそうですよね。
それこそ、鬼組織を率いるKさんみたいな感じですね。
ところが面白いことに、
あらゆる面で権威主義的なリーダーシップとは、
真逆のリーダーシップが展開されています。
次回は、その点について、ふれていきます。
・継続的な寄付獲得のためには、
「寄付から次の寄付までの間に、7回お礼を言うと良い」
・人材育成と危機管理への注力
・今後はいっそうBCPとDR体制の構築が問われる