ビジネスパーソンのための『鬼滅の刃』講座 -上司部下編

皆さま、日々ワクワクして過ごしていますか?

ワクワク目標達成研究室の森です。

「ビジネスパーソンのための『鬼滅の刃』講座」

今回は前回に続き、
『鬼滅の刃』をダシに考える組織論、リーダーシップ論です。

自他共に認める高い能力を持っている人が陥りやすいワナ

前回、『鬼滅の刃』の鬼組織について、
組織のトップ「Kさん(仮)」による、

営業成績トップ12名のうち、
下位6名グループ解体事件について触れました。

あなたが上司の立場であれば、Kさんの下位グループ解体事件から、
何が学べそうでしょうか。

特にあなたが、自他共に認める高い能力を持っている場合、
得られる教訓は大きいと考えます。

実際のところ、Kさんは「鬼のトップとしての強さ」関係なく、
原作を読む限り、ビジネスパーソンとしても抜きんでていることがわかります。

  • 普段は人間になりすましており、かつ上流階級

原作を読む限り、催眠などのたぐいで人を操ってはいないようですので、
それだけ「人間としての能力」が高いといえるでしょう。

興味深いことに、Kさんのみならず、
強い鬼の何人かは人間社会で、鬼の力関係なく成功しています。

  • (たぶん)相関関係と因果関係の違いがわかっている

ビジネスパーソンのみならず、
現在を生きる私たちにとっては重要な考え方である、

統計学における「相関関係と因果関係の違い」ですが、
原作を読む限り、Kさんはこのことが分かっていたふしがあります。

『鬼滅の刃』は大正時代を舞台にしていることを考えると、
なお驚かされますね。

  • やばくなったら躊躇なく、冷静にさっさと撤退できる

原作を読んでいて、一番感銘を受けた部分ですね。
個人的には、ホントにすごいと思いました。

普通は、やばい状況になったことが判明したら、

「プライドや惰性で、行動を変えない、意固地になる」
「恐怖で冷静な判断ができず、過剰な行動をとる」

これが、ほとんどの人がとりがちな対応です。

まして、Kさんのようなトップの立場であれば、
なおさらプライドが高いはずであり、
プライドを捨てた上での思考や行動は難しいですから。

ただ、Kさんのような、能力が非常に高い人にとっては、
ほどんどの人が無能でアホに見えます。
本人からすれば、実際にそうでしょ、と言いたくなるでしょう。

そこから、他者を信用、信頼するのが難しくなるという、
ワナに陥りがち
です。
なんせ、当人にとってはアホばっかりですから。

優秀故に他者を信用、信頼できないと起こりやすい認知のゆがみ

他者を信用、信頼するのが難しいと、
自然と他者との間に壁ができやすくなり、
そこから次のような弊害が生まれる確率が高まります。

  • 人の話を聞かない(傾聴しない)

そもそも、相手を馬鹿にしていると、
相手の話を、自分の意見を差し挟まずにしっかり聞こうとは、
なかなか思えません。

どうしても「聞いている風で実際は自分の意見を押しつけるだけ」に
なりがちです。

  • 読心(「あいつはこう思っている」という思い込み)

心理学でいう読心とは、相手が何を考えているか読み取る、というたぐいの話ではなく、
相手のちょっとしたしぐさや言葉から「あの人はこう思っているに違いない」と、決めつけてしまうこと。

認知のゆがみ」の一種になります。

一般的には、自尊心が弱いとこの手の読心に陥ることが多いですが、
自然と他者との間に壁ができると、読心状態になりやすいといえます。

※Kさんは、実際に近くにいる鬼の心が読めるそうですが、
 単なる思い込みである可能性もありますよね。

  • ステレオタイプ

これも典型的な「認知のゆがみ」ですね。
「○○だから信用できない」ってやつですね。

  • ピグマリオン効果

相手をアホだと決めつけて接していると、
相手への接し方がゆがんでしまい、
結果、本当に相手がさらにアホになってしまう。

で、「ほら、思った通りあいつはアホだった」となってしまう。

仕事遂行能力の高い上司は、
それはそれで部下への認知がゆがみがちですので、
非常に注意が必要ですね。

加えて、権威主義的な価値観が強いと、
「アホな部下には何をしてもいい」とか、
いろいろな正当化が生じやすくなるため、
いっそうの注意が必要です。

部下の立場としてできること

では、部下の立場からは、
Kさんの下位グループ解体事件から何を学ぶべきか?

  • 死ぬくらいなら逃げよう

「このまま今の仕事を続けていたら死ぬ」

そうした感情にとらわれて、視野が非常に狭まっているとき、
信頼できる人に相談しても打開できない(あるいはそんな人がいない)場合、
実際に死ぬくらいであれば、クビになっても逃げたほうがいいです。

  • 上司への予算や人員の追加アサインについて

状況が逼迫してから予算や人員の追加アサインを要求するのは、
賢明な判断ではありません。

そんなことされたら、たいていの上司はキレます。

状況が逼迫する前に、上司とコミュニケーションを密にとって、
進捗を共有して対応を協議するべきでしょう。

  • 権威主義的な上司との交渉術

実は、Kさんの下位グループ解体事件にて、
1人(?)だけ、処罰を免れたうえ、
力を与えられて(予算や人員の追加アサインをもらって)
再チャンスを与えられた鬼がいました。

その鬼の処世術(?)から学べる教訓は以下の通り。

①まずは上司の意見ややり方をほめる、感謝を述べる

上司が明らかに「自分が正しい」と固執する
権威主義的な価値観が強いことがわかったら、

上司の意見等を否定してはアウト。
何も話は進みません。

その場合、まずは上司の意見ややり方を肯定するのが、
対話のスタートとなるでしょう。

②「イエスアンド」で提案を進める

まずは上司の意見ややり方を肯定したら、

続けて「それなら」「じつは」といった肯定的な言葉のあとに、
自分の意見を説明すると、意見が通りやすくなります。

……組織全体のべき論で言えば、

部下をつぶすタイプの上司に対しては、
その上の上司に相談の上、
組織全体でその手の上司を肯定しないのが、
べき論としては正しいです。

しかし、現実はなかなかうまくいかないことが多いです。
たいてい、部下をつぶすタイプの上司は、
Kさんみたく、仕事遂行能力が高いことが多いので。
 

次回からは、鬼側ではなく、
鬼に対する人間側の組織から、
組織論、リーダーシップ論についてふれてみたいとおもいます。

今回のまとめ

・やばくなったら躊躇なく、
 冷静にさっさと撤退できるリーダーはなかなかいない

・優秀故に他者を信用、信頼できないと、
 それゆえに起こりやすい認知のゆがみがある
(傾聴しない、読心、ステレオタイプ、ピグマリオン効果など)

・部下の立場として、

「死ぬくらいなら逃げる」
「状況が逼迫する前に、上司と密にコミュニケーション」
「権威主義的な上司に対してはイエスアンドで意見を提案する」

組織で発生する様々な問題のうち、上司と部下の人間関係は上位にあがりやすい。
基本的には、上司は「力」を持っているので、力を持てる側の対応がはるかに重要です。
能力が高いと、自分だけでなんとかできると思いがちだけれど、それは錯覚だしなぁ。
「人格の土台の上に能力発揮」ができないと、いざというときに必ず足下をすくわれるので……
「周りはバカばっかりだ」と思っている人は、なぜか、「つまりバカが多数派なのだから、敵に回すといざという時にボコボコにされる」ことに意識が回らない人が少なくない。なんでなんだろう?

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